2017年10月現時点での最新版について日本語で解説します。
HandBrakeはマルチプラットフォーム(Mac、Windows、Ubuntu)対応の動画変換ソフトです。プロテクトされていなければDVD、Blu-Ray、TSファイル等万能に読み込んでくれます。
このソフトは妥協出来るところは妥協して妥協出来ないところはとことん設定を追求出来るので作業が非常に楽になります。MPEG2-TSファイルをドラッグ・アンド・ドロップで読み込んでくれるので結構便利です。私の環境だと録画したデータをエンコードしても音ズレしたりはしないです。
また、CUI版もあるのでコマンドプロンプトを使って使用して自動化することも可能です。
Windows版を前提に書いています。Mac版だと設定項目や使用可能なエンコーダーが違ったりするのであてにならないかも…(最新のバージョンだと統一されているかもしれません)。
目次
入出力について
Source
入力ファイルの情報について表示されます。エンコードする動画に複数の映像が格納されている場合はどれか一つを選択します。
その他にもチャプターや時間を指定することも可能ですが私の環境だと時間指定をした時に途中で映像が途切れたのであまりおすすめはしないです(チャプター指定の時は問題なし)。
Destination
出力する場所とファイル名の設定です。
Output Settings
拡張子の設定です。MKVはオールマイティにこなしてくれるので結構おすすめです。ゲーム機やモバイル機などはmp4等になります。
Web Optimizedは確か動画のヘッダーに情報を追加する設定でストリーミング等に使われますが再生がシビアな機械(テレビ等)でも有効らしいです。
Pictureタブ
解像度等の設定項目です。
Size
Keep Aspect Ratioを有効にするとWidthとHightが連動して比率を変えずにリサイズ出来ます。
・None
解像度”だけ”を変更する場合に使います。ピクセル比率は不変なので不適切な解像度を入力すると出力した映像がおかしくなります。
例えば、1440×1080の映像は1440×810になります。
・Automatic
元の画面アスペクト比率を維持したい場合に使います。
私は基本的にリサイズしない(解像度の数値をそのまま使いたい)ので
地上波(1440×1080)はAutomatic
BS(1920×1080)はNoneにて設定しています。
Cropping
切り取りの設定です。Customにした上で0の数値を入力しておくのがベストです。
Filtersタブ
インターレース処理関係の設定項目です。以前のバージョンと比べて設定が複雑になっており、ドキュメントも見つからなかったので憶測で書いている部分が多くなります。
Detelecine
- Off
- Custom
- Default
逆テレシネの設定です。インターレース映像を24fps化する時に使う設定です。主に映画やアニメ等になります。
Deinterlace
- Off
- Yadif
- Decomb
Yadifは全てのフレームを二重化(fpsが2倍になる)するインターレース処理をします。主にドラマやバラエティ番組で活躍します。
Decombはインターレースを検出したフレームのみをインターレース処理します。アニメをエンコードする時はDecombにしておくと流れてくるテロップのインターレースを処理出来ます(他にも色々やり方はありますが…)。
インターレースをどう処理するかの設定です。通常はDefaultで問題ありません。
インターレース検出の精度に関する設定だと思います(検索しても情報があまり出てこなかった)。こちらも通常はDefaultで問題ありません。
Denoise
ブロックノイズを低減させる時に使います。インターレース処理のやり方によっては設定した方が良い時がありますが普段は使いません。
Videoタブ
Video
- H.264(x264)
- H.264(QSV)
- H.265(QSV)
- MPEG-4
- MPEG-2
- Theora
- H.265(x265)
- VP8
- VP9
QSVはIntel CPU(GPU)でエンコードしたい時に使います。爆速でエンコード出来ますがファイルサイズが増加して映像もあまり綺麗ではないので急いでいる時にしか使うメリットはなさそうです。
Same as sourceはエンコードする映像と同じfpsを設定する時に選択します。プログレッシブな映像をエンコードする時はこれを選択します。
・Constant Framerate
固定フレームレート。常に指定した数値のfpsで出力されます。殆どの場合はこの設定で問題ありません。
・Peak Framerate
可変フレームレートです。アニメをエンコードする際にテロップ部分を二重化する設定をすると通常本編は24fps、テロップが流れている映像は60fpsとかに出来たりするはずです。
エンコード時間も上がりそうですし信頼性の検証に時間かかると思ったので私は今はこの設定を使ってないです。
そもそも深夜アニメはfpsに関してじゃじゃ馬なことが多々あるので24fps(逆テレシネ)で設定しておいてインターレース解除しきれなかった箇所はDecombに処理してもらう方が楽な気がします。
一番最悪だったのはインターレースとプログレッシブが混ざっていて且つfpsが不規則なアニメです。こういうアニメはもうブルーレイ(円盤)を購入した方が楽です。
Optimise Video
右に行けば行くほど画質は向上してファイルサイズも少なくなりますがエンコードの時間が増えます。
少なくともMedium以上には設定して下さい。Very Slowがおすすめです。Placeboは名前の通りかと…。
再生するデバイスによって適切な設定が必要です。PCで再生する場合はHigh 4.2あたりで問題ないと思います。
液晶テレビなんかはこの設定が滅茶苦茶シビアです。どこのメーカーかは言いませんがマニュアル通りに設定したのに再生出来ないパターンもあったりして自分で色々検証する必要が出て来る場合もあります。
Quality
基本的にはConstant Qualityを使います。右にいけば行くほど高画質ですが当然ファイルサイズは増加します。20〜24の間が適切です。x264だと18にすることもあります。
x264とx265はエンコードする映像の種類(アニメ or 実写)によって妥協出来る数値の範囲が違ったりするので自分でチェックしてみて下さい。
Avg Bitrateは一定のファイルサイズに抑えたい時に使います。使用するメリットはあまりないです。
Audioタブ
音声のエンコードに関する設定です。複数の音声チャンネルを格納することも出来ます。コーデックは色々選べますがAuto Passthruを選択するとエンコードする映像の音声をそのまま引き継いでくれます。
少し前のバージョンだと音声をエンコードするとノイズが乗る報告がありました。私も経験したので基本的にはAuto Passthruで設定しています。
尚、設定した項目はオリジナルのプリセットとして登録出来るのでプリセット機能を活用すると捗ります。


