記憶域プールというのは簡単に言うとRAIDのことです。
通常のRAIDと違ってHDDを自由に足したり減らしたりすることが出来る柔軟性があるので初心者にも使いやすいです。
もちろんSSDにも対応していますが積極的に使う意味はないと思います。
前提としてWindowsが稼働しているシステムドライブ(Cドライブ)以外に別の物理ディスクを用意する必要があります。
目次
記憶域を使うメリット
- 管理ソフト(GUI)で操作出来るので簡単
- HDDの容量を統一しなくても使うことが出来る
- 容量が少なくなってきたと思ったら大きい容量のHDDを増設するだけ
- HDDの交換や削除も可能
- USBのHDDにも対応している
- 多機能で便利
記憶域を使うデメリット
- 良くも悪くもWindowsの機能
- エラーが出てもあまり詳しく情報が表示されない
- また、エラーコードで検索しても情報が出てこない場合がある
- 10の記憶域プールで高度なことをやろうとするとするのは無理っぽい(後述)?
実といえばこの機能はWindows10以前からあったのですが
コマンド(PowerShell)での操作が必要だったりして面倒な機能でした。
使い方

「Windowsシステムツール」→「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「記憶域」
使い方は簡単でこの画面でプールを構築してその中に記憶域を作成するだけです。
回復性の種類の違い

サイズ | 必要HDD数 | 回復性 | |
シンプル | 1/1 | 1台〜 | なし |
双方向ミラー | 1/2 | 2台〜 | 1台まで |
3方向ミラー | 1/3 | 3台〜 | 2台まで |
パリティ | 2/3 | 3台〜 | 1台まで |
※サイズについてはHDDの容量や台数によって変わったりもします。
ちなみにPCをクリーンインストールした場合や他のPCに接続した場合も普通に認識します。
ただし、OSのバージョンは最新にしておく必要があります。
シンプル
単純にHDDに保存するだけです。あまりメリットが無いように思えますが大容量ドライブを作成可能です。
双方向ミラー
ファイルを2個に複製して別々のドライブに保存。
頻繁にファイルを読み書きする人はこれが最適です。
3方向ミラー
ファイルを3個に複製して別々のドライブに保存。
パリティ
一つファイルを分散して書き込む。さらにパリティ(バックアップ)を別ドライブに保存。
パリティの性質上読み込み性能は優秀ですが書き込み速度が遅いです。
ドライブ使用率の最適化

HDDを交換した時や新しいHDDを追加した時はデータの分布加減が偏っています。
平均化したい時に使いますがHDDに負荷をかけるだけなのであまり使わなくてもいいと思います。
普通に使っていたら徐々に平均化されていきます。
トラブルシューティング

PCにHDDを新しく追加しても認識しない
何回か再起動する。または完全シャットダウンをしてみる。
エラーが出て記憶域にHDDを追加出来ない。
この場合も何回か再起動して下さい。一旦時間を置くのもありです。
私の環境だけかもしれませんがこの方法で無事に追加出来ました。
ドライブを削除出来ない
再起動した後にタスクマネージャーを使ってバックグラウンドタスクを終了してみて下さい。
どうやら裏で読み書きをしている状態だと削除出来ないみたいです。
読み書きの速度が異常に遅い。または動作が不安定
多分どこかが壊れています。
まずはHDD診断ソフト(CrystalDiskInfoなど)を使ってHDDが正常に稼働しているか確かめてみるといいかもしれません。
他のPCに接続しても使えなかった
アップデートでOSを最新にするといいかもしれません。あとは適切なドライバがインストールされているかどうかもチェックするべきです。
ReFSはどこに行った
大型アップデートで削除されたっぽいです。
記憶域の管理ソフトが遅い
多分仕様です。原因は分かりませんが少なくとも私の環境ではバックグラウンドで何か作業しながら管理ソフトを使わないようにしています。
最後に

ここまで読んでみて如何でしたか?Windowsの記憶域はアプデと共に地道に進化しているのでこれから更に便利になる可能性があります。
記憶域は何個も作ることが出来るので取り扱うファイルの種類に応じて柔軟に運用していくことをおすすめします。
この機能は絶対無敵のシステムではありません。日頃から外付けHDDなどへのバックアップをすることがとても大事です。